LINEアプリや楽天サイトで見かけるようになったNFT(Non-Fungible Token)
どんなもので、いったい何が違うのかわからない方も多いでしょう
この記事では日本の方なら誰しもさわったことがあるLINEと楽天が展開しているNFTについて違いを解説していきます
NFTはブロックチェーン技術が使われている
NFT(Non-Fungible Token)はブロックチェーンという技術で管理されて、唯一無二の存在であることや所有者情報が記録されています
世界で最も有名なブロックチェーンは『ビットコイン』です。仮想通貨(暗号資産)のビットコインは最も有名なブロックチェーンシステムで、分散型のピア-ト-ピア・ネットワークを採用しています
一方でNFTではイーサリアムブロックチェーンが多く採用されています。スマートコントラクトを実行できるブロックチェーンシステムであり、NFTなどの分散型アプリケーションの開発・実行にも使われています
簡単に言うと
NFTをつくるとき(デジタルデータをNFT化するとき)は、イーサリアムブロックチェーンという技術で作成されることが多いということ
しかし、LINE NFTや楽天NFTでは現在イーサリアムブロックチェーンでNFTが作られていません。どんな影響があるのか次から説明していきます
同じブロックチェーンシステムで作成されたNFTしか取り扱えない
世界最大のNFTマーケットプレイスである『OpenSea(オープンシー)』ではイーサリアムブロックチェーンを採用しています
イーサリアムで作られたNFTであれば、OpenSeaの中(サイト)で売買が可能です
しかし、LINE NFTや楽天NFTはイーサリアムブロックチェーンは使われていません。OpenSeaで購入したNFTをLINEや楽天の販売(転売)することはできないのです
逆もそうで、LINE NFTや楽天NFTで作成したり購入したNFTをOpenSeaなどのイーサリアムブロックチェーン上で動いているマーケットプレイスで販売することはできません
表示させることもできない
別のチェーンで管理されているNFTを同時に表示させることはできません。色々なマーケットプレイス(違うブロックチェーン)で購入したNFT群を1つのウォレット(フォルダのようなもの)で全て表示させることが現在はできないのです
LINE NFTと楽天NFTは『全く別の世界』と考える
ここまで、NFTのブロックチェーンの種類について説明してきました。LINE NFTと楽天NFTはイーサリアムブロックチェーン上で管理されていないのです
では、LINE NFTと楽天NFTがイーサリアムではない『別のブロックチェーン』を採用しているということはわかりましたが、同じブロックチェーンかというとそうではないのです
LINEと楽天では、それぞれ別のブロックチェーン技術でNFTが管理されています
- LINEは独自のLINEブロックチェーン
- 楽天は独自の楽天ブロックチェーン
別々のブロックチェーンシステムを使っているということは、LINEでNFT化したデジタル資産(アートや写真、ゲームなど)を楽天で販売することはできません
LINE NFT内だけで売買したり、表示させたりすることが可能です
逆に楽天でNFT化したデジタル資産(アートや写真、ゲームなど)をLINEで販売することはできません
楽天NFT内だけで売買したり、表示させたりすることが可能です
別の世界ということは・・・
LINE NFTで多くのNFTを買って所持していても、楽天NFTの世界では反映されないという認識です。NFTコレクションを見せることができないので、コレクターという意味では少し残念な仕組みと言えるでしょう
LINE NFTの特徴
LINE NFTは、ソーシャルメディアアプリ「LINE」を運営するLINE Corporationが開発したNFTプラットフォームです。ユーザー同士での取引やアーティストとのコラボレーションなどが可能となっています
- 日本国内で大規模なユーザ層(LINE)をかかえている
- ブランド力、技術力、信頼がある
- LINEアプリからNFTへの使いやすさ
- 自社仮想通貨LINK(LN)での取引
- 様々なLINEサービス連携
- LINEアイコンとNFT
- ソフトバンクグループとのサービス連携
LINEゲームとNFT
LINE NFTの今後の期待の1つに、多くのユーザが利用しているLINEツムツムなどのLINEゲームとLINE NFTとの連携があります
ゲーム内アイテムをNFT化して、LINE NFTによって売買されたり、ゲーム内での取引や利用が可能となるサービスの提供が十分考えられるでしょう
近い将来は、『NFT』という枠で意識されることもないような形でLINE NFT上でデジタル資産(NFT)が取り扱われるようになるはずです
LINEスタンプとNFT
LINEはそもそもメッセンジャーアプリとして日本国内で数千万人の方が利用しています。スマートフォンを利用していてLINEをインストールしていない方は非常に少ないでしょう
そのメッセージのやりとりで収益の一部となっているのが『LINEスタンプ』の存在です
現在では日本円やポイントで売買されているスタンプが、『NFT化』することも想定の範囲と言えます。ユーザはLINEスタンプがNFTであることを意識することなく利用することとなると思いますが、NFTの特徴である転売(2次販売)により、ユーザー同士の売買や、スタンプ作成者へのロイヤリティが発生してくるでしょう
LINEアイコンとNFT
NFTが日本で流通した2021年当初から2023年に至る間、多くのユーザが何にNFTを利用したかというとSNSなどのアイコンです
NFTの特徴でもある
・唯一無二
・同じものは他にない
・自分が保有している
これを理由にTwitterをはじめとするSNSアイコン画像(PFP)にNFTが使われてきました
LINEの特徴でもあるメッセンジャーアプリのアイコンとして、NFTが利用されることは間違いありません
・かわいい
・クール
・レア
・高価
など様々な理由でNFTアイコンが購入されることが予想されます
ただの画像としてではなく、NFTアイコンとして認定されクリックすることでNFTの詳細や市場価格などが表示するでしょう
楽天NFTの特徴
楽天NFTは、インターネットショッピング大手「楽天」が開発したNFTプラットフォームです。楽天グループのサービスに関連するコンテンツなどが取引できます。
- 楽天経済圏との連携
- 楽天ポイントの活用
- 楽天市場でのNFT購入
- 楽天トラベル連携
- 実店舗とNFT
楽天NFTと楽天市場
楽天はECサイトとして『楽天市場』を抱えており、多くのユーザがネットで欲しいものを購入しています。逆に販売する側は『楽天』ではなく、多くのショップやブランドが楽天市場に商品を紹介しています。
これはユーザが意識することなく、まるで自分は楽天で購入しているかのような錯覚に囚われますが実際は楽天を通して第三者の企業からネット購入しているのです
楽天NFTでは、このようにユーザが意識することなく『デジタル資産であるNFT』をネットショップしていくことになるはずです
作成者(クリエイター)が楽天に上げておけばOKという仕組みで、NFTの購入がとてもハードルが低い基盤となるでしょう
楽天NFTとポイント
『楽天経済圏』という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう
楽天では、カード、銀行、株式投資、保険、トラベルなど様々な実サービスがあり、楽天グループのサービスを利用することで『どんどんポイントがたまる』仕組みとなっています
楽天ポイントとNFTが連携していくでしょうし、もしかしたらNFTを所持していることで楽天ポイントが溜まっていくなどのロイヤリティ(特典)があっても不思議ではありません
楽天NFTではこの楽天経済圏との関係も見逃せない部分となるでしょう